• 筏井哲治

新学期開始と後手のコロナ対策


感染者の増加一日で300人超

3月は全国での一斉休校、そしてそのまま春休みということでしたが、いよいよ明日から富山県内でも多くの小中高校で新学期が始まります。一方で、首都圏では東京を中心に感染者は増加の一途を辿っている上に、感染源を追えない感染者の比率が上がってきています。


密集、密閉、密接の三密を避けましょうと声高に言ってますが、学校はどう考えてもそれを守ることは難しい環境ですし、特に都会の学校では電車などを使って通学する児童、生徒も多いでしょう。飲みに行かない、遊びに出かけない、というような自粛をしたとしても、通勤や通学、あるいは職場や学校で三密を守ることができてないんだから、感染拡大を止めることはそりゃ簡単じゃないでしょう。


今のところ大都市を中心に感染が拡大していますが、すぐに大型連休がやってきます。その時に、国民が大移動をすれば当然ながらウイルスも同じように全国を大移動することにならないんでしょうか。自由が保障された日本で、人の移動を強制的に制限することは簡単ではありませんが、感染を広げないためにはどうすべきか政府から明確な方針を出す必要があると思います。


特に地方は、大都市に比べると医療設備や病床数も限られており、一旦医療崩壊となれば、その立て直しは簡単ではありません。財政健全化の名の元に地方財政は予算を切り詰め続け、ほとんどギリギリで運営しているのが実情です。検査をしようにも、今の状態で病院や地域のクリニックに駆け込まれたら、そこが感染のクラスターになることは容易に想像できます。


一刻も早く検査センターを病院以外の場所に設置し、感染の疑いがある人を受け入れる体制を作る必要がありますが、これらを各市町村の予算でやるというのは不可能に近いです。国なり県なりからヒト・モノ・カネをセットで提供しないと、新型コロナへの対策を行うこともできません。そして感染を食い止める最大にして唯一の方法は今のところ、移動しない、家から出ない、ということになりますが、しかし、収入がなくては生活することもできません。となると、収入を保証しないことには、再び学校の一斉休校をすることもなかなかできません。


世界各国では、この緊急事態に大規模な予算を組み家計の収入を助ける代わりに、国民に移動と活動を制限しています。それと比較すると、マスクを2枚全家庭に配るというのは、その意図が見えてきません。総務省案ということですが、本当に感染を止めるという政府の強い意志があるならば、マスク2枚を配ることも大事かもしれませんが、それ以上に財政的な支援をする必要はあるのではないでしょうか。


今の案では、所得制限を設けて生活支援をすると言うことですが、逆に言えば、所得の上限以上の人は政府からの支援がないということで、引き続き、毎日出勤し、毎日満員電車に乗るということです。イタリアやスペイン、ニューヨークの惨状がこれだけレポートされてなお、政府の対策から見え隠れするのは「金がもったいない」「金は払いたくない」ということです。


実際には金がないということはありません。この5年あまりのアベノミクスによるいわゆる異次元の金融緩和によって日銀は400兆円のお金を口座に積み上げています。しかし、政府の当座預金が400兆円増えただけで、その金を外に放出(財政出動)はさせていません。それどころか政府は金を積んでおきながら、支出を減らしているのが実情です。


政府、財務省の指導に従い支出を極限まで切り詰めた地方自治体に、新型コロナとそれに付随する経済恐慌に対抗する力は残っていません。20年続くデフレによる疲弊した経済の中で、消費税を10%に増税し、そこに新型コロナでトリプルパンチです。死んでいくのは末端から。すなわち地方からです。今こそ積み増しした400兆円を財政出動し、国民を救うために、そしてこの危機を乗り越えるために使って欲しいと思います。



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